山鹿蒸溜所ストーリー

Yamaga Distillery Story

Yamaga Distillery Story Vol.04 『ファーストにかける想い』

山鹿蒸溜所のファーストシングルモルト記念連載企画「山鹿蒸溜所ストーリー」。第4回となる今回のテーマは、「ファーストにかける想い」です。

スタッフ全員が最も心を砕いたのは「山鹿らしさとは何か」というテーマです。ファーストシングルモルトは、単なる新製品ではなく、私たちが理想とする香味、ブランドとしての姿勢、哲学を感じていただく基準となる製品だからです。

2021年11月、山鹿の地に竣工して以来、仕込み・発酵・蒸溜を日々重ね、熟成を見守り続けた年月が、ようやく一つの結実を迎えようとしています。

ファーストシングルモルトの背景には、数えきれないほどの試行錯誤と積み重ねがあります。

山鹿らしい原酒のもととなる麦汁づくりに最適な原料の選定、粉砕比率の調整。糖化・発酵の緻密な温度管理による、酵母や乳酸菌の活動のコントロール。理想の香味に近づけるための蒸留の勢いとカットのタイミングの研究。一樽一樽の多様な個性と、ここにしかない熟成環境の相乗効果。それらすべての積み重ねが、現在樽熟成庫に眠る2,400樽の原酒となって表れています。

アルコール度数の高さを感じさせない、やさしい口当たり。洋菓子のような甘みと、多様な酵母や樽由来の豊かな香り。軽やかでありながら奥行きがあり、飲みやすく、飲み飽きない。

お客様に伝えたい「山鹿らしい香味」を表現するためのブレンドの工程では、閃きと根気強さが試されます。数百の候補樽から一滴単位で構成比率を調節し、テストブレンドを作成。テイスティングと意見交換を重ね、最も山鹿らしい「美味しいウイスキー」を追求しました。

「山鹿らしさ」を視覚的に伝えるため、パッケージ開発にも細部までこだわりました。ファーストシングルモルトの製品コンセプトは、「エレガント」「フルーティー&クリーミー」。竣工当初から掲げてきた「やさしく綺麗な味」「時を掛けた力強さ」という酒質の特徴と、山鹿灯籠踊りに着想を得た幻想的で優美なイメージをあらためて掘り下げ、香味のキーワードとして設定しました。
その印象がパッケージデザインからも伝わるよう、細部に至るまで検討を重ね、形状や質感の表現に落とし込んでいます。

全社を挙げて、「一度きりのファーストシングルモルト」に、誠実に、丁寧に向き合ってきた成果が、熊本県初のシングルモルトジャパニーズウイスキーとして間もなく形になります。手に取っていただいた皆さまにとっても、特別な1本になることを願っています。

次回は、いよいよコンセプトとなる香味のキーワード「エレガント」「フルーティー&クリーミー」についてご紹介します。
どうぞご期待ください。

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