2025年秋、いよいよ山鹿蒸溜所のファーストシングルモルトが誕生します。私たちが目指したのは、山鹿の風土と伝統を映す唯一無二のウイスキー。その軌跡を、全6回の連載でお届けします。
第1回は、「山鹿蒸溜所の軌跡」。山鹿蒸溜所の始まりの物語です。

山鹿蒸溜所の関連会社には、山形県の株式会社高畠ワイナリーや、日本で初めて樽貯蔵による本格麦焼酎をつくり出した、鹿児島県の田苑酒造株式会社があります。どちらも樽熟成させるお酒です。樽の中で熟成させることによって、豊かに変化していくお酒の不思議な魅力。「究極の樽熟成」を追求したいと考えました。「究極の樽熟成」といえばウイスキーだ。ウイスキーをつくりたい。それが、ウイスキーづくりを始めるきっかけの発想でした。
では、どんなウイスキーがつくりたいのか。心を奪われたのは、九州を代表する伝統芸能「山鹿灯籠踊り」でした。きわめて繊細でありながら、力強い職人技で一つひとつつくり上げられる伝統工芸品「山鹿灯籠」と、その灯りの中で幻想的に舞う踊り手の優美な姿。山鹿灯籠踊りが持つ静と動の美しさに、私たちはウイスキーの理想の姿を見出しました。「やさしく綺麗な味の中にも、時を掛けた力強さのあるウイスキー」というコンセプトが、誕生した瞬間でした。
軽やかで女性らしく、華やかさと優しい甘みのあるウイスキー。蒸溜器をはじめとする製造設備は、この目指す酒質を実現できるよう、軽やかで綺麗な原酒づくりに特化した設計にしました。バルジ型の膨らみと、上向きのラインアームを持つ初溜釜は、その象徴です。



2021年11月の初仕込み以来、年間を通してコンスタントに原酒の生産を続け、現在の樽熟成庫の貯蔵数は2,200樽を数えるまでになりました。
2022年から2024年まで、リリースしてきたYAMAGA NEW BORN。山鹿のウイスキーのポテンシャルや熟成の進み方を感じていただきたいと、毎回新たな要素を取り入れた3部作です。


ファーストシングルモルトの開発では、「NEW BORNからの進化」を合言葉として掲げました。その全貌が明らかになるまで、もう少しです。次回以降の連載を楽しみにしていただけますと幸いです。
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