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フレコンバッグの再利用
山鹿蒸溜所公式ブログにアクセスいただき、ありがとうございます。
9月16日~25日は「SDGs週間」です。
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない」を合言葉に国連が掲げた17の目標で、貧困を無くすことから環境保護まで幅広い課題に取り組むことを目指しています。
当蒸溜所では、アルコール飲料メーカーとして目標12「つくる責任、つかう責任」に焦点を当て、できるところから取り組みを始めています。
今回は、その中で原料の麦芽の輸送に使用され、廃棄されていたフレコン(フレキシブルコンテナ)バッグのアップサイクル(創造的再利用)の取組をご紹介します。
フレコンバッグとは、主に農業や工業で使用される、大きな袋型の容器です。
当蒸溜所では、ウイスキーの原料であるモルト(大麦麦芽)をスコットランドから輸入していますが、これらは1トンのフレコンバッグに入った状態で納品されます。
品質を維持しながら海を渡り、安全に送り届けるために、頑丈なフレコンバッグが使われているのです。
これがフレコンバッグです。
1袋にモルト1トンが入っています。
山鹿蒸溜所では1回の仕込み毎に1袋ずつ使用しており、年間200枚以上のフレコンバッグが空になります。
従来、モルトを輸送する役目を終えたフレコンバッグは、廃棄されていました。
分厚く頑丈な化学繊維でできているため、かさばり廃棄にもコストがかかります。
モルトスター(メーカー)のロゴが入ったフレコンバッグは、そのままの用途でまだまだ使えそうですが、スコットランドまで袋だけを送り返すのは現実的ではなく、輸送にかかる燃料等による環境への負担の方が大きくなってしまいます。
ノベルティグッズへのリメイクも考えましたが、本来、素材としての使用を想定されていないフレコンバッグは加工が難しく、なかなかうまくいきませんでした、
どうにか利活用できる方法が無いかと思案する中で、熊本地震の被災地域で使用されたブルーシートを回収・洗浄・縫製し、トートバッグにリメイクした「ブルーシードバッグ」の取り組みを知りました。
ブルーシートも、本来、使用後は廃棄されるもの。
フレコンバッグに比べると柔らかいものの、加工方法は近いものがあるはずです。
こうして、「ブルーシードバッグ」の取り組みでグッドデザイン賞を受賞された、「一般社団法人BRIDGE KUMAMOTO」様のご協力のもと、モルトが入っていたフレコンバッグを100分の1サイズにリメイクしたミニバッグが完成しました。
デザインは「一般社団法人BRIDGE KUMAMOTO」様、そして、縫製作業を就労支援施設の作業員の方々に依頼することで、地域の適正な雇用を創出し、SDGs目標8「働きがいも経済成長も」に繋がる取組みにもなりました。
100分の1サイズミニバッグは現在、ショップにて販売しております。
さらに、このプロジェクトの第2弾として、現在トートバッグの制作を進めています。
ミニバッグは「YAMAGA NEW BORN」の箱がぴったり入るかわいい大きさですが、トートバッグは日常使いにこだわった大きめのデザイン。
実用性とスタイルを兼ね備えたバッグを目指しています。
ミニバッグに続くサステナブルな商品として、近々発売予定です。
山鹿蒸溜所では、今後もこのようなサステナビリティを考慮した商品開発や取り組みを続けていく予定です。
環境への配慮と共に、地域社会への貢献を目指し、お客様とともに持続可能な未来を築いていきたいと考えています。
SDGs週間は、私たちが持続可能な未来に向けて何ができるのかを考える重要な機会です。山鹿蒸溜所では、フレコンバッグの再利用を通じて、資源の大切さや環境への配慮を伝えていきたいと思っています。
ぜひ、この機会にショップを訪れ、ミニバッグやトートバッグを手に取ってみてください。