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2024/08/11

インタビュー:Calmest Coffee Shopと山鹿蒸溜所

山鹿蒸溜所公式ブログ、今回はインタビュー形式でお届けします。

 

聞き手は、山鹿蒸溜所広報スタッフ。

お相手は、山鹿蒸溜所オリジナルブレンドコーヒーを作ってくださっている、熊本市北区植木町のCalmest Coffee Shopオーナー・深迫祐一さんです。

山鹿蒸溜所オリジナルブレンドコーヒーの開発をはじめ、山鹿蒸溜所まつりでも第1回からのブース出店など、一緒に様々な取り組みをしていただいています。

今年は新たに、山鹿蒸溜所のウイスキーを熟成した後の樽にコーヒー豆を詰め、熟成させる「バレルエイジドコーヒー」の試みを始めました。

 

 

 

話し手の紹介:深迫 祐一(ふかさこ ゆういち)さん


Calmest Coffee Shopオーナー。

ご子息・忍さんの遺志を受け継ぎ、誰にでも寄り添う癒しの場、コーヒーを学べるお店として、2020年5月にオープン。こだわりのナチュラルスティックガーデン、シェアロースター、レンタルスペースを併設。

NPO法人『Coffee aid 2021』では、イベントや講演会を通して、事件・事故等の被害者及びその遺族の支援、コーヒーに関わる事業の起業支援、コーヒー文化の発展を掲げ、コーヒーが繋ぐ想いを広げる活動を続ける。2024年7月7日には、東京・中野にてチャリティーイベント「Coffee aid Vol.4」を開催。

 

 

 

 

―山鹿蒸溜所とのコラボレーションは、どのように始まったのでしょうか。

深迫:3年前ぐらい前の夏だったと思います、山鹿蒸溜所の製造スタッフの方が突然店に企画を持って来られました。車等を運転して来られたお客様はウイスキーの試飲ができないので、コーヒーを提供したい。オリジナルブレンドを一緒に作れないかと。それが始まりでした。

 

―オリジナルブレンドの開発はどのように進められましたか?

深迫:数種類焙煎し、カッピング(=味見、テイスティング)。その繰り返しです。深煎りで、華やかな味わいという方向性の発注だったと思います。山鹿蒸溜所の皆さんと一緒に何度も話し合いと試作を重ねて、やっと完成しました。

 

 

―時間と労力のかかる作業だったんですね。

深迫:当時だったからできましたが、今だったら断っていたかもしれませんね(笑)。実は、今現在オーダーで焙煎しているのは、山鹿蒸溜所さんのオリジナルブレンドを含めて2アイテムだけです。他で使わないような特別な豆を使ったりするので、すごく手間がかかっています(笑)。

 

―初歩的な質問ですが、そもそもコーヒー豆って、どうやって作っているんですか?

深迫:コーヒー豆とは元々、コーヒーの木の種なんです。コーヒーの実は赤くてサクランボのような見た目をしています。種の周りの果肉を取り除き、精製をしたものが生のコーヒー豆です。この時の果肉の取り除き方や、精製の仕方で呼び方が変わってきます。ウォッシュド、ナチュラル、ハニー、アナエロビック……等、いろいろな種類があります。

 

―モルトウイスキーの原料となる麦芽にいろいろな種類があるのと似ていますね。コーヒーとウイスキーの関係については、どうお考えですか?

深迫:アイリッシュコーヒーに代表される、ウイスキーとコーヒーを使ったカクテルがあるように、親和性は高いと思います。ウイスキーは言わずと知れた人気のお酒ですが、コーヒーも今や世界中で非常に人気が高い飲み物です。

 

―山鹿蒸溜所について、どのような印象をお持ちですか?

深迫:悲しいかな、いつも納品に伺うのが蒸溜所の定休日なので、お客様が見学されている様子は見られないのですが(笑)。樽熟成庫には毎回圧倒されますし、実際に製造の様子が見られて、ウイスキーの話が聞けるのは嬉しいです。ウイスキーが好きなので。佇まいからおしゃれで格調高い印象を受けるので、最初は「俺なんかが入って良いのかな」と思いましたが、スタッフの皆様が温かく迎えていただき、とても居心地が良かったです。

 

―最近、また一緒に新しい試みを始めました。ウイスキーを取り出した後の樽にコーヒー豆を入れ、一定期間熟成させるバレルエイジドコーヒーです。

深迫:バレルエイジドコーヒー、面白いですよね!普段扱っているコーヒーとは全く違っていて、いい意味で遊びのつもりでやっています。どんなものが出来上がるんだろう、飲んだ人はどんな感想を持ってくれるんだろう、とワクワクしています。

 

 

―バレルエイジドコーヒーのつくり方について教えてください。

深迫:焙煎する前の生豆を、ウイスキー熟成に使用した直後の樽に入れ、熟成させています。私としても初の挑戦で、同業者に聞いても誰も知っている人がおらず、手探りでのスタートでした。熟成期間も2週間、1か月、2カ月と少しずつ伸ばしてベストなタイミングを探し、焙煎の程度も少しずつ変えて試作し、ようやく商品化が見えてきました。だんだん形にはなってきていますが、しばらくは調整しながら進めていくことになると思います。

 

―7月7日の東京・中野で開催されたチャリティーイベント「Coffee aid Vol.4」で、試験販売されましたね。

深迫:はい。持って行った量が少なかったこともありますが、すぐに完売してしまいました。もう少し作っておけばよかったです(笑)。ウイスキーの香りが非常に強いので、コーヒーのイベントで提供するには周りへの配慮が必要ですね。

 

 

―バレルエイジドコーヒーは、どのようなこだわりを持ってつくられていますか?

深迫:目指しているものを一言で表現すると「香りはウイスキー、味わいはコーヒー」です。ウイスキーの豊かな香りを極力取り入れるため、クリーンなタイプの豆を使用。樽に入れる期間は1か月程度が一番いい香りを感じることができました。今は熟成を終えた後の香りや味の変化、樽熟成後の焙煎のタイミングや水分量を調整してテストをしていきます。

 

―今後の展望について教えてください。

深迫:店については、今のままで良いと思っています。2号店を出すとかではなく、近い距離感でお客さんたちと直接話せるお店でありたいと思っています。Coffee aidについては、犯罪被害者支援の活動の他にも、コーヒーを広める活動やコーヒーを学びたい若者をサポートする活動をしています。ゆくゆくは若者たちが主体となって、その活動を続けられるようにしていきたいですね。

 

 

―最後に読者の皆様に一言、お願いします。

深迫:コーヒーは美味しいですが、雰囲気や気持ちに左右されると思います。お客様に気持ちよく帰っていただきたい、という想いはオープン当初から変わっていません。私たちのコーヒーを通して、ちょっとした感動や楽しみを伝えられれば嬉しいです。

 

―私たちも、お客様に安らぎや感動を伝えられるウイスキー造りを、これからも続けていきます。ありがとうございました!

 

※バレルエイジドコーヒーの発売は、2024年11月頃を予定しております。

 

【TV放送告知】

今年6月27日にNHK-BSで放送されたCalmest Coffee Shopさんのドキュメンタリー『僕のコーヒーが、誰かに届くとき』がNHK総合にて再放送されます。

2年間の密着の記録、コーヒーが繋ぐ絆の物語です。

ぜひご視聴ください。

■九州沖縄域内/総合

8/14(水)23時45分~翌0時34分

■全国/総合

8/20(火)13時05分~13時54分(放送日変更の可能性あり。)

 

【Calmest Coffee Shop】

熊本市北区植木町岩野802-3

定休日:火曜・水曜(不定休)

営業時間:11:00~18:00

Instagram: @calmestcoffeeshop

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