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山鹿蒸溜所の「仕込水」について

こんにちは。山鹿蒸溜所公式ブログにアクセスしてくださり、ありがとうございます。
今回は、山鹿蒸溜所の「仕込水」についてお話します。
ウイスキーの製造には良質で豊富な水が不可欠。
ウイスキーの原料の「仕込水」としてだけでなく、蒸溜液の冷却や設備の洗浄等、様々な工程で水を使用しています。
山鹿蒸溜所の水は、見学されるお客様からも驚かれるほど自慢のおいしい水で、菊池川水系と国見山水系の深層地下水を、敷地内の2つの井戸から汲み上げています。
定期的な水質検査をしっかり行っています。
【写真:山鹿蒸溜所の2号井戸と貯水タンク】
1号井戸は約20年前まで、日本酒の製造に使用されていました。
2号井戸は弊社が新しく掘った井戸で、深さは共に約100メートルです。
明確な定義は無いようですが、一般的に50~60メートルよりも深い地下水が深層地下水と呼ばれています。
菊池川の水源は、名水百選にも選定されており、国の天然記念物・オオサンショウウオの生息も確認されています。
ちなみに、熊本県は名水百選に選定されている水源の数が8箇所と全国最多。
「火の国」熊本県は「水の国」でもあるのです。
【写真:菊池川】
山鹿蒸溜所の仕込水の硬度はおよそ60~70度(mg/L)。
市販のミネラルウォーターでは、フランスの某メーカーが同じくらいの硬度です。
WHO(世界保健機関)の基準では、0~60度を軟水、60~120度を中程度の軟水(中硬水)と呼んでいます。
日本では100度以下だと軟水と呼ばれることが多いようです。
ウイスキー大国・スコットランドの蒸留所の多くは、湧水や河川、湖から採取した、非常に軟らかい水を使用しているようです。
世界各地の水の硬度を調査したデータでは、スコットランドの全3地点で、硬度25~35度の軟水を記録しています。
水が豊富で、軟水が多いのは日本も同じですね。
山鹿蒸溜所では、大多数のスコッチウイスキー蒸留所よりも少し硬い水を使っていることになります。
さらに、硬度の基準となるカルシウムとマグネシウム以外にも、水には様々な成分が含まれます。
一つとして同じ水は無く、よって同じウイスキーも二つと無いと言えるでしょう。
山鹿蒸溜所の、クリアで甘みのあるウイスキーには熊本・山鹿の地下で育まれた豊かな水が必要不可欠なのです。
仕込水にも注目してウイスキーを味わってみると、また新しい発見があるかもしれません。
蒸溜所をご訪問いただいた際は、ウイスキーの試飲と合わせてぜひ山鹿の水も味わってみてください。