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2023/11/02

山鹿蒸溜所の樽熟成庫を歩く②

山鹿蒸溜所公式ブログ、前回に引き続き樽熟成庫からお届けします。

 

製造したアルコールは、酒税法に基づいて厳密に管理することが必須です。古くから蒸溜液が流れ出る場所をスピリッツ・セイフ(safe=金庫)と呼び厳重に蓋をするのも、製造されたアルコールが1滴残らず課税対象であるためです。

 

 

[写真:山鹿蒸溜所のスピリッツセイフ]

 

山鹿蒸溜所では月に2~3回、全ての樽の状態をチェックしています。この一斉点検のタイミングでなくとも、メンテナンスが必要な樽を発見した場合、直ちに補修を開始します。

日々の樽メンテナンスに加え、樽の中で眠っている原酒の管理も大切な仕事となります。

仮に、

同じ種類の樽に

同じ日に蒸留したニューポットを

同じ日に樽詰めし

横並びに保管

以上のようにほぼ同じ条件だとしても、樽ごとに個性が異なり、熟成のスピード、味わいは異なっていきますので、樽ごとの原酒チェックを継続的に行っていきます。気持ちとしては子育て日記のような感覚で、ひと樽ひと樽に愛着がわいてきます。

 

 

[写真:山鹿蒸溜所の樽熟成庫]

 

 

樽、その存在がウイスキーに魂を吹き込む場所。山鹿蒸溜所の樽熟成庫では、これらの木製の宝物たちが、時間と共にウイスキーを深化させ、私たちの心を魅了し続けています。

 

私たちが大切にする樽のメンテナンスと管理は、ウイスキーの品質を確保し、その独自の味わいと香りを育てています。そして、この過程で奇跡が生まれます。繰り返しになりますが、同じ原酒でも、同じ期間、ほとんど同じ場所に置いていても、熟成や着色の進み具合は個々に異なります。ウイスキー造りは、科学とアート、そして自然の力が交じり合う神秘的なプロセスです。

 

山鹿蒸溜所は、ウイスキーを通じてこの美しい旅に参加できることを光栄に思います。私たちは、ウイスキー愛好家の皆様に、私たちの情熱と努力が詰まったウイスキーをお届けできることを誇りに思います。

 

樽、ウイスキー、そして私たちの続く冒険にご参加いただき、ありがとうございます。山鹿のウイスキーが出来上がるには時間がかかりますが、この先もどうぞ楽しみにお待ちいただければと思います。

 

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