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2023/05/11

霧と共に… (山鹿蒸溜所を取り巻く環境について)

山鹿蒸溜所の広報担当、本坊優紀子です。
今日は山鹿地域の特色でもある“霧”のお話です。

 

雨が降ると薄っすらと霧が漂い、冬場は霧が立ち込め目の前は真っ白。朝方は車を運転するのがちょっと怖いと感じるほど、冬の山鹿は霧に覆われます。


(2022年3月の山鹿蒸溜所。朝方は霧に包まれて幻想的です。)

 

いったい霧はどこからやってくるのか…
蒸溜所近隣には一級河川の菊池川が流れており、山鹿に立ち込める霧はこの菊池川から上がってくるようです。ちなみに当蒸溜所の仕込水には敷地内の井戸水を使用していますが、こちらは菊池川水系の深層地下水になります。少し高台にある蒸溜所まですっぽり覆われるほど、菊池川流域の霧は深く濃いです。


(朝方の菊池川。)

 

山鹿のシンボルである「山鹿灯籠」にも霧にまつわるエピソードがあります。
その昔、第十二代景行天皇のご巡幸の際、菊池川一帯に立ち込めた深い霧に進路を阻まれたため、山鹿の里人が松明を掲げて無事にお迎えしました。以来、里人たちは景行天皇を祀り、毎年灯火を献上したのが「山鹿灯籠まつり」の始まりです。室町時代になり和紙で作られた金灯籠を奉納するようになり、昭和になり金灯籠を頭に掲げた女性が舞い踊る「山鹿灯籠踊り」が誕生しました。


(山鹿灯籠踊りを舞う女性。「山鹿探訪なび https://yamaga-tanbou.jp/」より)

 

今年は2019年以来、4年ぶりに開催が決定しました!1000人もの女性たちが集まり一同に踊る「千人灯籠踊り」は必見です。かくいう私もまだ見たことがないので、今年のお祭りが大変楽しみです。

 

 

山鹿の“霧”のお話に戻ります。
空気が澄み、水が清らか、そして深い霧に包まれる山鹿の環境はお茶の栽培に適しており、お茶所としても有名です。「岳間茶」は江戸時代から細川家の御前茶として献上されるブランド茶になります。山鹿の産業・文化は霧と切っても切れないご縁があることを再認識しました。

 

さて、霧と共に成長を遂げている私たちのウイスキー、熟成がどのように進んでいるのか、ぜひ楽しみにお待ちいただければ幸いです。山鹿蒸溜所のウイスキーが山鹿の新たな文化となれるよう、この環境に感謝し製造を続けて参ります。

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